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カテゴリ:つながるいのち。
2日間の旅程で仙台へ向かう。
最速の「はやぶさEX」は相変わらずの人気で、 先頭車両を撮影しようという鉄道マニアが数名、 カメラを向けていた。 車内はほぼ満席。 朝一番で屋外での見学ゆえ、 雨が気になるところだけれど。 郡山を通過中に思い立ってデッキへ向かう。 長いトンネルをいくつか抜けた後、 福島市内に近づく。 阿武隈川が見える。 妹の住まいがあるマンションの建物が、 目に飛び込んでくる。 3月11日、娘と妹が不安な夜を過ごした場所。 福島駅通過。 と同時に、こみ上げて来るものがあり 「福島ーーーっっ!!!」と心の中で叫んでいた。 その場をこの目で確認しなければ 自分自身の気持ちにさえ気づけないのか。 一旦席に戻り、再びデッキに出て、 今度は蔵王を確認する。 雲に隠れていて山頂は見えない。 仙台駅下車、集合場所へ急ぐ。 途中、Sさん、Yくんに出会う。 Sさんとは同じ列車に乗っていたことが判明。 幸運なことに、雨は上がっている。 海岸公園冒険広場への見学。 途中、仮設住宅群を2カ所バスから眺める。 うち1カ所は公園に隣接しており、 その公園ではプレーパークも行われる。 さらにもう1カ所、プレーパークを、 ここは下車して見学。 この地域一帯を巡回するプレーパークの要、 プレーカーが止まっている。 すでに男の子が二人、遊びに夢中だった。 仙台東部道路をくぐると、 そこから先は津波に襲われた地域。 土の、草の色が違う。 津波に押し流された車が、まだいくつか取り残されている。 かろうじて残っている建物も ことごとく破壊の爪痕が色濃い。 目的地、冒険広場に到着。 北側はがれきの集積場になっていて、 膨大ながれきが整然と積み上げられている。 ショベルカーが何台も作業中。 小高い丘全体が海岸公園の一角で、 丘の麓にあったデイキャンプ場は跡形もなかった。 ぽつりと残った冒険広場の事務所は、 机などは片付けられていたものの、 汚泥が残されている部分もあって凄まじい。 壁にかけられた時計は 津波到来の時間のまま止まっていた。 事務所前で、泥に埋もれたステープラーを見つけ、 拾い上げて、そばの机に置く。 沿岸部の津波被災地域では、 泥に埋もれたさまざまなものを掘りにくる人々がいる と岩手方面へヒアリングに行った仲間が教えてくれた。 小高い丘を登り、冒険広場の頂上を目指す。 途中、津波が押し寄せた場所に ロープで目印が付けてある。 さらに登ると、津波被害を免れた遊具や事務所が見えてくる。 南側を見下ろせば、津波になぎ倒された木々が横たわっている。 丘のてっぺんに立つと、ようやく海が見える。 海沿いにびっしりと生えていたはずの松林はすかすかの歯抜け状態。 かろうじて立っている松も、下半分の葉が枯れている。 海側の急斜面を見ると、 途中から草の色が変わっていることに気づく。 濃く生き生きとした緑が、突然茶色く焼けた色に変わる。 津波が押し寄せた爪痕だ。 防潮林のおかげで、丘の上からも海は望めず、 丘のてっぺんに2階建ての展望台が作られた。 さらに3階部分を建て増しして、 ようやく松林のむこうに 水平線を望むことが出来るようになったと言う。 この防潮林が、津波到来に気づくのを遅らせたのだ。 あの日、大きな揺れの後、 プレーリーダーのNさんたちが 冒険広場で遊んでいた親子を避難させていたら、 地元の人が3名、 「この場所が一番高いから」と避難しにやって来た。 丘の上に送り届け、 自分たちの荷物も上に運ぼうとしていたら、 みしみしと大きな音がして、Nさんたちも思わず駆け上った。 津波はそのまま内陸部へと進んで行き、 周囲のすべてがなぎ倒されて行くのを、 呆然と見ているほかなかった、と言う。 しばらくして自衛隊のヘリコプターが飛来、 ロープを伝って救い出された。 眼下には、周辺地域一帯の惨状が広がっていた。 現場に立ち、そこで被災したご本人から 当時のことを訊く。 津波の爪痕を直に確認、海側に少し下りて、上を見上げる。 展望台に登れば、海がさらによく見える。 太平洋の荒波、といっても、今はすっかり穏やかだ。 しばらくして駐車場へと向かう。 内陸に広がっていた田んぼも集落もほとんどは流され、 今は、だだっ広い荒れ地が広がっている。 途中、2台のローラー滑り台のうち、 距離が長く斜度も急な1台にトライする。 若いプレーリーダーが荷物を持ってくれた。 両手を広げて滑り降りると、 しまったお尻がびしょぬれだ。(苦笑) 同じ目にあったのは、私のほかに、あと3人。 再びバスに乗り込み、 東六郷小のそばを通って、市街地へ向かう。 東部道路の矩面に真新しい階段を見つける。 津波の後に作られたものだ。 さらに南部道路をくぐると、 ふたたび風景は日常に戻る。 この落差。 11月に、1日だけ冒険広場の臨時開場が決まったらしい。 ただし事前申し込みが必要だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.17 17:58:16
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