ぼんやりひつじのひとりごと

ずっと気になっていた伊坂幸太郎さんの作品を読み始めました。
まずお友達から借りた、「アヒルと鴨のコインロッカー」。
現在と2年前の過去のできごとが章ごとに交互に語られる形式。だんだんと過去と現在の登場人物がつながっていくのがおもしろかった。2年前がどのように現在につながっていくのか、最後のほうまで見えにくいのでスリルと怖さが消えない展開になっている。最後はちょっと悲しいけど許せる終わりかた。推理小説なのにそれを読み解いていく存在がないところがおもしろい。あっという間に読んでしまった。

図書館に行ったら「チルドレン」があったので早速これも借りてきて読んでみた。短編の連作のようだけれど全体を通して登場人物がつながっている。
強烈な個性を持つ鴨居さんの存在が際立つ。こんな人いたら会ってみたいなと思った。盲目の好青年永瀬くんのナチュラルな雰囲気にも引き込まれた。
小説を通して「家裁調査官」の仕事が垣間見られたのもおもしろかった。

伊坂さんの小説は一見クールで冷たい温度を漂わせているのだけど、ところどころに人間の体温も見え隠れするから、仮にかなり怖い展開になっていてもなんとなく安心して読み進められる。最後まで残酷な冷たい小説は苦手なので、私にはこのくらいの温度が丁度いいなあと思った。

アヒルと鴨のコインロッカー