テーマ:最近観た映画。(39941)
カテゴリ:音楽・映画・お芝居のこと
今日は、シンガポールに来て初めて映画を見に行きました。
いままでにも観たいものはいろいろあったのですが、ついつい観そびれていました。タイもそうだけれど2・3週間くらいでロードショーが終わってしまうので観そこねることが多いのです。 でも、今回は楽しみにしていたスペイン映画だったし、これを逃すとまたいつスペイン映画が見られるかわからないし、ちょっと意気込み新たに!?出かけてきました。 ところが、映画館で『ボルベール』と言ってチケットを買おうとしたら通じなかった・・・何度か繰り返したら、「ああ、ボルバーね。」と自信を持って言われがっくり。(苦笑) その上、映画館に入ったら上映5分前なのに誰もいなくて不安になりました。しばらくしてから数人入ってきたのでよかったです。ただ、映画館で一人で映画を見ることなんてめったにないだろうから、「貸切?」とちょっと淡い期待もしたにはしたけど・・・。 30分くらいの長い宣伝の後、ようやく無事に映画が始まりました。 最初スペイン語を聞きながら英語字幕を読んでいたら頭がこんがらがったので、途中からは字幕は読まずにがんばりました。だから聞き落とした台詞が大分あったけど、まあなんとかストーリは理解して楽しむことができました。スペイン語をこんなに続けて聞いたのはほんとに久しぶりでそれだけでもちょっと嬉しかった。ここ数年、アジアにどっぷりつかっているわたしですが、やっぱり時々古巣が恋しくなります。(笑) えーっ、なかなか映画の本題に入らずごめんなさい。観にいったのはペドロ・アルモドバル監督の『ボルベール』という作品でした。 アルモドバルの作品は、以前にSofia大の社会人講座のレクチャーでストーリーを追ったことはありましたが、映画館で見るのは初めてです。個性の強いことで有名な監督さんなのでどんな作品かなと思いながら観ました。 舞台は風の強い、スペインの田舎町。3世代の女性を巡る物語です。日本ではまだ公開されていないし、ストーリーはあまりばらすと面白くないので書きませんが、タイトルの『Volver(戻る、繰り返すといった意味。日本版副題は『帰郷』(タンゴ曲のタイトル))』が物語全体のテーマを表現していると思います。無さそでありそな(または、絶対無いだろうということをあるかも知れないと思わせる)ストーリ展開はスペイン映画らしいなと思いました。田舎の怖さ、女性の怖さそしてたくましさ、人間の醜い部分をずばっと魅せるあたりはやっぱり「ロルカ」の影響ありかなー。そして、暗いストーリのなかに独特のユーモアや人間の持つ優しさを混ぜるところがアルモドバルらしさかもしれません。主役のレイムンダはとっても綺麗で強い女性でした。その役を演じたペネロペさんも、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされだけあって、とても素敵で、私はストーリーよりむしろ彼女の表情やしぐさの美しさに見とれてしまいました。 16歳以下禁止の映画なので、いろんな意味でもっと強烈な場面がでてくるかと思いましたが、意外にすんなりと納まっていました。この作品は独特な個性のあるスペイン映画(特にアルモドバル作品)の中では見やすいほうではないでしょうか。ただ、逆にその個性が好きな人にとっては物足りないと感じるかもしれません。私にはこのぐらいの温度が丁度良かったので、楽しめた作品でした。 興味のある方は『Volver』公式サイト↓をチェックしてみてください。 http://volver.gyao.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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