「前向き」ということばはあまり好きではない。というか流行りすぎで色褪せてみえる。それと似ていて非なるのが「気力」とか「やる気」ではないかしら。
それ「気力」とか「やる気」が無くなるともうどうしょうもない。なにをしてもおもしろくない。だんだん、だんだん消極的になって、することなすことうまくない。
「落ち込む」ということばも流行りすぎ。「うつ状態」もいい過ぎ。奈落の底まで行く気がしてくるなんておおげさ。
そうではなくてたぶん持ち時間の使い方が下手になってきているのだと考えた。
「持ち時間」!いかにも老人になったのを認めるようだが、若くてもやる気がなくなって沈んだことがたびたびあった。身体のリズムなどと言い訳していたけども。
あせるのではない。けれどもくだくだ言っていたら「くだくだ人生」になってしまう。湧いてくるような躍動感は静まったけれども、ひたひたと押し寄せる蠢きは忘れられない。
風の音、空気の振動、光の明らかさ、草の匂いに触れてくると元気になる。