カテゴリ:つれづれに、きままに
昨夜のNHK「カラーでよみがえる!第二次世界大戦の記録」はわたしにはとても参考になった。 白黒映像をカラー映像にする技術はコンピューターのおかげで当然進化しているから、もっとリアルにできるのだろうが、昔の色付き加工写真ぐらいの程度であった。 けれどもそれでも死体累々の場面、血が流れている様子は戦争の悲惨さを伝えるに十分だった。 1930年代のドイツ、ヨーロッパの動き1940年にはいってのっぴきならなくなった状態が映像とともにうまくまとめてあり、年表を眺めるよりわかりやすかった。 若者向けというが戦争を経験したとはいえない1941年生まれのわたしみたいな者(ほんとの修羅場を知らない)にも認識が新たになったのではないか。 確かにわたしは戦後の焼け野原、物資不足、殺伐たる治安を幼いなりに経験していると思うが、それは戦争後の結果であって戦争の悲惨さではない。 アウシュビッツのところはさすが白黒にしてあった。でも、原爆を研究開発したのがユダヤ人の科学者、しかも迫害された怨念からドイツに落とすつもりで頑張り、何とか出来たそのころはドイツはもはや風前の灯で、日本に使うことになった、というナレーションにはとてもとても空しかった。 65年も経っているのにまだ悲惨な場面の映像はタブー視されていて、NHKがこの程度放送したからって愕いているようでは、今中東を始めとしてあちこちで興っている戦争の状態に想像を馳せることが出来るまい。 人間が生きていくには、ひとりひとりそれぞれの苦難を抱えて何とか乗り越えていくしかないのに、いっぺんにその方向を変えてしまうのが大きな戦争。 こんな認識も原子爆弾が使われるような戦争になったらなにも考える余地もない。人類は危うい橋を渡っているのだった。
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