むかしふうに言うなら通俗小説、その名も『日蔭の女』(平岩弓枝)
芸者で二号の母、バーのマダムの異父姉、それなのに賢く美しく、父親は政治家であり、医学を修めて大学病院の麻酔医になった。
しかし患者であったお金持ち不動産屋の愛人になってしまい、女ざかりになったところで、たくましくも純粋な年医師惚れられ愛してしまったから、さあたいへん!
さらにその青年医師にぞっこんの情熱的な少女が親友の妹として現れ加わって、三角四角関係が発生。
登場人物がばったり偶然に行き会ったりがなんどもなんどもあり、というよりそればっかりで。
やけどあり、自殺あり、古くは「君の名は」すれ違いの、誤解満開。
沖縄に行くわ、京都に行くわ、熱海に行くわ、はたまたアメリカはニューヨーク郊外フォレストヒルやら、銀座はもちろん赤坂、青山、下町下谷、、、。演歌じゃないんだよ。
と、シドニー・シェルダンも真っ青の小説でありました。
ばっかじゃないのと言いながら一気に読んで頭痛くなったのもほんと。
奥付をみればこの文庫、1982年から32版も重ねているから読まれているのよね。
平岩弓枝さんてこんな小説家だったのね。ある意味うまいね。でももうたくさんよ、何も残らないからね。だけれども気が紛れたのでもある(笑)