カテゴリ:読書メモ
『銃口』三浦綾子のストーリーは、 大正天皇の御大葬から昭和天皇の御大葬まで、昭和史のような時代を背景に 裕福な家庭に生まれた素直な少年の彼が、小学校時の受け持ちの先生の影響を受けて教師となる。 天皇のご真影を拝する学校教育に何の疑問も感じず、その時代のごく普通の教師であった。 しかし、情熱を持ってした綴り方指導が言論統制の当局の目にとまってしまった。 治安維持法で勾留され、教師をやめさせられ、教師なら免除になって逃れていた軍隊への召集もかけられ戦争に参加しなければならず、さまざまな苦難を味わうことになるのである。 ストーリーは太平洋戦争のあとさきに限られており、戦後の教師はどうだったかというテーマもあれば昭和をたどったことになろうが、そこまでは筆が及ばなかったようである。 だから教師の昭和史と言うより、国策により権力を持った憲兵が 思えば状況は今も同じようである。 追記: お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年05月28日 07時59分54秒
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