カテゴリ:読書メモ
与謝野晶子訳『源氏物語』全巻を読み終わったのは9月の末であった。 半月も経ってしまうと新鮮味が薄れてしまうが、 短編の集まりでストーリーが重複したり一貫性がなかったり、長編の物語としては完成していないと思う。 しかしながら、なかなかいい巻もあり駄作の巻もあり、紫式部さんおひとりで書き綴ったのではないだろう、という研究は古文の学者にまかせるとしても、 通して読んでたいへんよかったのである。 創造物なので光源氏の身勝手な性格も、女性達のしたたかさも許してしまおう。 思い通りに行かないと悪霊となって祟るなど、ほんとに身につまされる源氏物語の表現である。 うっかりしているとどこで何者が悪をたくらんでいるか知れたものではない。 だから なかなかそうはいかないのだが。つい熱くなるのが人間の困るところ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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