リンク友alexさんのブログ「角田さん 小説の文体」に
「先ほど、なにげなく、NHK第一放送の文学作品の朗読を聞いていた
角田光代さんと言う作家の短編小説である
なんだか、この人の
・ 語り口
・ 感性
・ 知性
・ MODESTY
に、瞬時に、感銘を受けた
朗読を聞くだけで感銘を受けるなんて、初めてかも知れない」
とあったので
「ええっ、いまどきの作家さんでそういうことあるの?」
と失礼なことを思い、すごく関心を持って
さっそく角田光代さんの『空中庭園』を読んだ
(何年前かにbook offで買って戸棚の奥に積んであったのを探した本である)
で
たまたま読んだこの本はストーリーが連作仕立てで
ある住宅団地に住む家族の6人の視点で描かれあり
つまり
「姉、パパ、ママ、おばあちゃん、弟の家庭教師、弟」が
章ごとにそれぞれ語る仕組みなのである
だからはじめ、神の目(作家の目)視点でないところは
作家のセンスがちょっとわからないのかなあと読み進んだのだけれども
どんな視点で描かれようとも作家は作家である
なるほど文章がうまいのはもちろん表現力があり
ストレートなのにそれが嫌味なく知性的
そしてなによりも奥深いところの鋭さが突き刺さる
わたしなど怖くて震えてしまった
この文間からそくそくと迫ってくる真実らしきもの
「家庭とは、家族とは思い込みで作るもの」なんてさ!
ところで
ラジオなどで何気なく聴いた朗読放送で
猛烈に読みたくなった作家や作品がわたしにもある
朗読読み手がいいのか
その作家の文章がいいのか
はたまた内容がいいのか
わたしが忘れられないのは
若松賤子訳『小公子』と
増田れい子『しあわせな食卓』
『小公子』のほうは気品ある文語調の訳文によって
『しあわせな食卓』はおいしい匂いがただよってくるような文章の綾によって
その朗読からイメージとともに感性が立ちのぼってくるようなのである