柴田錬三郎さんの『幽霊紳士・異常物語』を読んだ
柴田さんといえば剣豪娯楽小説シリーズしか思い浮かばなかったわたし
「へえ~~」と本屋で衝動買い
創元社文庫で復刻版の由、書かれた時代は1960年
ストーリーの時代背景も同じく50年末から60年の昭和レトロ
というかわたしの若いころのなつかしき風景・風物が多々の
古風に言えば、探偵もの、ミステリー物語で
前に「笑うセールスマン」なんてコントドラマがあったが
その「セールスマン」が「灰色の幽霊」になった感じで
謎解きをしてくれる『幽霊紳士』シリーズと
異国情緒趣味豊かな異常事件収録の『異常物語』
『幽霊紳士』のほうの背景、古き昭和が懐かしい
自動車がまだ高根の花だったころの後楽園スタジアムでの自動車ショー
数寄屋橋の川が埋め立てらればかりのころの有楽町や日比谷公園あたり
今のように整然としていなくて、殺風景ともいえる皇居堀端の風景
丸の内せいぜい7階建ビル街の古さ、いまは高層ビル群、見違えるもの
などなどリアルで蘇るからおもしろい
ストーリーは素朴かつ単純だけどね
これぞ娯楽というのだろうよ
『異常物語』の異国情景の描写もおもしろい
ロンドンやパリが出てくるのだけれど
1ドル360円の時代、ほんとに見た人は少ないから
言えば、どんな描写でもOK(笑
柴田錬三郎さんは実際渡欧なさっていたのかどうか
1ドル360円といえば、いま118円になったが
一時95~8円になって、昔を思うと日本の状態が変わった
当時立派な装丁本全集の1冊が350円くらい
いまやその手の単行本は2500円はする
これってどういうこと
わかるような、わからないような