わたし73歳、健康保険の分類では前期高齢者
むかしのわたしなら「完璧な老人だな」と思っても不思議ではないのだけれど
なってみるとそんな気がしないからおもしろい
人間なんて勝手なもんだ
それに今や、見た目年齢不詳が多い
頼もしい限りで...
わたしがどう見えるかはこのブログでは示せないけれども
若いときと変わらないで
本を読んでそのはなしが出来る楽しさがうれしい
いくら超高齢社会になっても行き着く先は死であるので
「終活」だの「断捨離」だの、やっぱり気にしてしまうのは
行きつく先への時間が迫っているのがわかっているのだ
これから迎える「死を考える」はそれまでの「生を考える」と同じだから
残りの時間を愉しく有意義にしたい精神的なものを見つけたいものだ
それで思い出すのは『更級日記』
全文を読んではいないが(今度読もう)
古文の教科書の例文やあらすじで見ると
更級日記の作者は、十代の頃から物語の世界に魅せられ
特にそのころ流行の「源氏物語」を耽読
夕顔や浮船のような翳ある、たおやかな女性にあこがれていたが
実際に宮仕えして現実を知り、ロマンチシズムも覚め
結婚し息子が生まれると現世に幸福をもとめるともに
来世の幸運も望みお寺詣でにもいそしむ
若いころ物語の世界にあこがれたように
老年になればなったで極楽往生を夢見るのであった
わたしは物語の世界にあこがれるみずみずしい日記に
ものすごく共感したのであったが
後半の仏教に入って行くあたりはわからない
時代が下がった現代ではすんなり宗教には行かない
宗教は荒っぽく言えば「終末思想」に縁どられていると思う
地獄や極楽、最後の審判、神の加護
現世で「よいおこない」や「祈り」をささげれば救われるという思想
もっといってしまえばおどしでもある
それがいやだなと思う
しかし
人間は何らかの精神的支えがないとやっていかれないのもほんとう