カテゴリ:読書メモ
昨日も今日も雨、菜種梅雨ということか。しかも寒いので、部屋にこもりきりだ。 「あら、こんな冊子がある」と手に取って読みだしたら止まらないのがあって終日読みふける。 鎌倉書房1993年10月発行、マダム増刊号『森瑤子 愛の記憶』 各界の友人関係者の追悼文やら、写真が散りばめられ、ご本人の短文やエッセイ、旅行記がある。 しかし、森さんの文章のいいこと、うまいこと!やっぱりなあ。 この冊子に収録してある『マスカレード』短文集の惹句 35歳で主婦から作家になって、52歳で亡くなってしまった駆け抜ける様な煌めき。 作曲家の三枝成彰さんが寄せた文にこうある。 35歳で作家としてデビューするまでは、妻として、三人の娘の母として、自己を表現する手段何ら持たなかった。そんな40歳が近づく彼女を激しく駆り立てたのは、「自分が自分であること」のあかしであった。そのあかしのために彼女は「書く」という創造の仕事を選んだ。 (中略) しかし、ぼくのような作曲や森さんのような作家に限らず、何かモノを創るということは、普通の人には考えもつかないつらい作業である。交代も衰えも許されず、その表現そのものだけが、ありとあらゆる人々の批判の目に曝されるという仕事である。 お付き合いは古くないとおっしゃる三枝さんのなんと人を見る目の確かさ! ******* 上記、もっともらしく記したけれども、読書ノートを見たら実はこの冊子8年前に読んでいるの、すかっかり忘れて忘却のかなた。 そのブログが2007年3月27日の「会話」である。
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