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やっぱり読書  おいのこぶみ

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2015年08月10日
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カテゴリ:読書メモ

85歳の義姉は油絵を県展で入選するような腕であるが

油は展覧会というと絵も大きくなるので、運び込むのも(高齢には)大変
場所はとるし、画室がいるし、絵の具などの道具も揃え、お金も掛かる

いろいろ考えた末、手帖と筆記用具さえあればいい「俳句」もやると宣言して
油絵もそちらの方も、続いているからたいしたものだ

「これならば寝たきりになったとしても、楽しみがあるってもの」
「あなたもどうか?」

と言われているが、詩心のないわたしは戸惑うばかり
そこでなにほどか「俳句」がわかるかしらんと

木宮高彦『小説 与謝蕪村』(1985年刊)

を読んだ、ちょっと目を啓かされた感じではある

そういえば藤沢周平『一茶』吉村昭『海も暮れきる』も俳人が主人公だった
読後感はわかったようなわからないような
一茶、晩年の物欲執着や尾崎放哉の磊落な行動に
むしろ人物像に興味がいってたような気がする
「俳句」というものななんじゃろとはならなかった

まあ、

日本人ならだれでも17文字ぐらい
ひねり出したり、ぱっと浮かんだりの経験がある
わたしだってあるが、それはご愛嬌ってもんだよね

さてこの本『小説 与謝蕪村』、なかなかのものである

生い立ちが最初に述べられているのはまあ当然だ
いろいろあって蕪村、江戸に出た
若い蕪村は俳句に興味を持ち、師匠を探す

目当ての師匠のところに行き、入門を願う
さて、そこの書生に質問する
「俳諧とは、いったいどういうものですか」

「俳諧を学ぼうとするものが、そんなことも知らんのか」
といわれてしまったが、ま、書生さん教え諭してくれる親切で

「俳諧連句の略称じゃよ。ふたりで一首の和歌を詠むことだ。
これを三十六句続ければ歌仙、百句を綴れば百韻となる。
それくらいのことは覚えとけ」

「俳諧はいつ頃はじめられたのですか」
「古いことはわしもよう知らんが、足利時代の終り頃に山崎宗鑑と
荒木田守武というかたがいてな、俳諧の鼻祖と呼ばれておる。...」

と蕪村が質問したようにして話が進められていくのである
その俳諧世界には流派が沢山できて、師匠(業俳)と言われる人たちは
勢力争いで喧嘩をするということがわかってくる

そして小説は終始俳諧の派閥争いになる
その中で蕪村の才能が発揮されていくのである
というと言い過ぎなんだが
とにかく何々派やら(談林派・貞徳派)何々座(江戸座)がめったやたらに登場するので
なにがなにやら、わたしは混乱して読むのであったが

つづく

鳥1

 

 

 

 






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最終更新日  2015年08月10日 19時23分39秒
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