葉室燐『おもかげ橋』読了
この作品は友情を描くにある
たまたま葉室作品を多く(10冊ほど)読んでいるので
「あれ?また、この人間関係とこの状況!」と鼻白む思いがするのでもあるが、、、
葉室さんの文学テーマのひとつで
ま、「友情」と「三角関係」は切っても切れないし
そこにストーリーの展開のおもしろみもあるのだから
ところで「友情」と「恋愛」を描くのに男同士の小説が多い気がする
古くは夏目漱石『こころ』、武者小路実篤その名も『友情』
で、この小説の男二人から恋される女性
『源氏物語の宇治の巻』の浮船みたいなのだ
自分がどちらを好きか最後の最後までわからない設定
友だち同士にとっては友情は壊れないし、神秘的である
しかし
両方にいい顔した悪女じゃないの
わたしなどそのほうがおもしろいし
「それがこのストーリーのキモ」などとほくそえんだのだ
言ってはなんだが、女はしたたかなものだから
しかし、それは違っていた
でなければ『おもかげ橋』などとロマンティックなタイトルにはしない
男性作家は悪女を書きたくない?!