ほんとうは年賀状を作成印刷しなければならないのだけれども
かっての受験勉強と同じ、他のこと(その時は関係ない文庫本読んでた)
をやってしまうという、おろかさ
というわけでこのブログになる
江藤新平という法律立法における天才といわれた人物と
大久保利通という日本初の宰相(松本清張の『史観宰相論』より)
のことがよくかわかる小説であった
江藤と大久保は似た気質であるという
司馬さんの文章にこうある
「人間の才能は、大別すればつくる才能と処理する才能のふたつにわけられるにちがいない。」
明治期、このつくる才能に恵まれたふたり
他の維新の面々が封建制を倒したのはいいが
日本国創造の抱負も実際の構想も持たなかった時
ふたりは才能を発揮し、がちんこしたのである
江藤新平には政治力がなく、うかつな性格、うぶな一面
大久保利通には冷たいまでの狡猾な理知があったという
こういうスタンスで紆余曲折の最後
大久保利通は江藤新平を「さらし首」という江戸時代に戻ったような刑にする
この『歳月』の結末を読んで大久保利通ってやな奴!どんな奴
と、わたしの好きな松本清張さんの『史観宰相論』をひもといてみた
清張さんの史観は
なんといっても「明治期を通じての大宰相であり大政治家だった。」
良くも悪くも日本の官僚制度をつくった張本人でもある
と認めている人物なのである(あたりまえである)
日本がたどってきた道を小説なり随筆で観るのはおもしろい
功罪あいなかば、好悪、結論は出ないのである