桜木紫乃さんにはまって『ホテルローヤル』『ラブレス』と読了
『ホテルローヤル』は直木賞受賞時の話題を記憶しており
なるほど「ラブホテル」が主人公とは珍しや
泥臭くに落ちそうも、さにあらず
なかなか洒脱でおもしろい短編集だと唸った次第
そして、長編はいかに?と読んだ『ラブレス』
姉妹のものがたり
肉親への愛、連れ合いへの愛、子供への愛
姉妹の性格が真逆
能天気な姉としっかり者の妹
極貧から出発して頑張っても、いい時が少なくて
めでたしめでたしにはならない
つつましい庶民で終わってしまう人生
愛はしあわせか?愛とはなんぞや?
しあわせな顔をして死にゆく姉を見て
妹が、娘が、姪がそして元夫が、元恋人が
それぞれに、こころ突き動かされたのであった
もちろんこんなふうに波乱万丈ではないけれども
昭和どっぷりの、もろわたし達世代のものがたりじゃないか
みんな、悩みましたよ、悩みながら時代を潜り抜けてきましたよ
と読後感が演歌調になってしまうのでもあった
文章はしんねりとはしておらず、短編に比べるとむしろそっけない