桜木紫乃さんの短編集『氷平線』と『誰もいない夜に咲く』にはまって
「格差社会の現代の片隅に生きている」短編の主人公たち(『誰もいない夜に咲く』解説)
「一億総中流」の昭和に駆け抜けたわたしからみれば、「庶民の哀歓」になる
やっぱりちょっと古いかなあ(笑
つまり、いつの時代も庶民は悲哀に満ちた人生を送っている、ってこと
主人公たちが
けしてお金持ちではなく、家庭が崩壊しかけてるか、肉親同士が解り合えず
夫婦円満でないか、離婚してるか、恋人フラれているか、さびしい、きびしいひとり身か
しかし
この作者の短編の数々が一見「暗いものがたり」を編んでいるようにも
背景にからっとした空気の北海道の風景がそこはかとなくはめ込まれてあるので
そこに目が行く、目だけで無く、そこへ旅行したくなる不思議さ
その風景の中で哀歓をかみしめてみたい、なんてさ
だからうまい作家ってことになるのだけれど
北海道がからっとしているという感想もわたしの幻想なのかもしれない
霧の摩周湖は行った時、ほんと霧で何も見えなかったしね(笑