古川智映子『土佐堀川 広岡浅子の生涯』を読んで
前々回のNHK朝ドラ「朝が来た」の原作
ドラマもちょいと見たりしていたので内容はわかっていたが
明治維新前から商才を発揮して、危急存亡、転んでもただ起きない人生
女性の活躍もママならぬ時代に大正8年まで果敢に生きた
こんな勇ましい頭のいい女性が存在していたとはすばらしい
また
この作者の簡潔な書きっぷりが、なお好感度であった
初版は1988年だそうだから、朝ドラに取り上げられたのはよかった
失礼ながらうずもれていた作品であったのであろう
とにかく歯切れがいいのに感心した
思うにこういう前向きなガンガン進んでいくような小説が今のわたしには好もしい
ひと昔前は結構悟ったような小説を好んでいた気がする
たとえば
ジェームス・ヒルトン『チップス先生さようなら』とか田辺聖子『姥ざかり』
主人公はお年寄りで、妙に達観したような作品にね
自分がそのような年齢になってみると
そのようなのを読んでのんびりと過ごせないような気分になっているのである
勝手なものだ