佐和子さんは好感度なインタビュアー・タレント、エッセイストでもあられる
言わずと知れた作家阿川弘之さんのお嬢さん
作家の身内に依頼される「故人について書かないか」に
唯々諾々で書かされた由、だからか、強烈な悪口満載の父親の思い出
友人はこの本を読んで可笑しくてたまらなかったそう
ユーモアあふれた本だと貸してくれた
そうかなあ
読みはじめは気分悪くて本をほり投げたくなった
とにかく癇癪もちで横暴な父親の描写にもろ、腹が立った
こんな人、今時いるのか
うそみたいな「男尊女卑」男の見本の父像
「誰のおかげで暮らせるのか!」「子供はうるさい!」などね
でもね
途中から、こんどは涙なしには読めなくて
ああやっぱりいい本だと思った
何につけてもいちゃもんばかりの父なのに
娘が文章をものにし出すと、真っ当なアドバイス
内容には一切口出しせず、ただ文法的な注意のみ
娘が書けないで行き詰っていると、ほんと同業の優しい慰めが
そこに父親の誠意を感じる娘
まあ、思い出は美しくなるのは必定だけども
向田邦子さんも「強父」だったので上手い作家になった
だから阿川佐和子さんも上手くならざるを得ないのだろう