「淡白なんだけど不思議な魅力の本」
葉室麟氏の作品群、一言でいうとわたしはこう思っている。
直木賞受賞作の『蜩の記』から初めて読み始めて11作品、
以来ずっと感じているところだ。
はっきり言って、淡々とした文章運び、メリハリが薄いストーリーのよう。
いくらライトノベル全盛と言っても、江戸時代をこういう風に描くのはどーかなあ。
歴史的時代背景に現代風な心根を持って書きすぎてるような。
じゃあ、なぜ読み継ぐのか、というと
友人がこのこの作家を好きで貸してくれるからなんて、
しまりのないことである。
でもこの作品は、めずらしく後半一気に読めた。
いわゆるアメリカ映画の結末を望むようにね。