カテゴリ:読書メモ
てっきり文豪漱石さんの奥さんは、悪妻とは言わねど、
恐妻か、嬢様奥様ではないかと、なんとなく思っていましたよ。 それは漱石さんの作品に影響されたところがあります。 登場する女性が気が強そうなお嬢様、伝法なひとっぽい女性、 あるいは静かだが芯が強くて分かりにくいひとが跋扈するのですから。 漱石さんの奥様鏡子さんに漱石生前の出来事を思い出して話をしてもらい、 娘婿の作家松岡譲さんが書き留め文章に起こしたものなのです。 その話っぷりがあけすけでおもしろく、夫人の人柄がよく出ています。 そう、古き良き東京人ぽい、ちょっと伝法な雰囲気があります。 でも、なかなか開けている奥様でもありまして、 その住んでいらした本郷や早稲田近辺しか知らないひとでもなかったのです。 (東京人はほんとによそを知らない人が多いんですよ) 漱石さんが神経を病んでいるときにはパワハラあり「別れる」と言われ続け、 失敗すればしたで「オタンチンノパレオラガス」といろいろからかわれても、 添い遂げました。 話っぷりからすると愛情の深い、明るい何事にもめげない性格 それでなければ、あの胃弱で神経衰弱で気難しい作家についてられませんわね。 そして、家計経営でも貧乏は貧乏なりに、潤沢になってくれば、 ちゃんと采配する、しっかり者でもありました。 この本の初版は昭和3年、漱石13回忌のころという古さなのに、 作品はすべてのように親しんでも、わたし知らなかった本です(恥 漱石さんの作品の成り立ちも分かり、作品がなおなお、おもしろくなる読み物です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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