カテゴリ:読書メモ
本棚の整理に見つけた古いこの本(1980年初版本)処分しようとしたら、帯もそのままきちんとしているのに目が行き、読みたく思う惹句
現代人のエゴイズムは愛をむしばみ、夫婦の心の交流をさまたげ、家庭の崩壊を招くことが多いが、この作品は女性の立場から、そうした問題を問い詰めた意欲作であり、作者の新しい分野をしめしたものだ。(文芸評論家 尾崎秀樹評) とあり、あれ?この文芸評論家尾崎秀樹(おざきほつき)さんて聞いたことがあるよ、と調べたら「ゾルゲ事件」の尾崎秀美(おざきほつみ)さんは異母兄弟という、ああ紛らわしい というか、わたしがモノを知らないだけ ストーリーは 歯科医院の家付き娘(久子)がお婿さんを迎え、 その夫となった男(信孝)は腕のいい歯医者、病院を成功させるが、 どうしようもない女癖の悪さとドメスティックバイオレンス男 両親が亡くなり、離婚しようとするが、病院・資産に執着する夫は聞く耳を持たない お嬢さん妻はたまらず家を飛び出して自活する 夫はこれ幸いと若い娘(恵子)を家に入れ、子供まで作る と、舞台は東京なれど関係先に「松前、江差」など北海道が出てくるし、 ちょっと三浦綾子さんを彷彿させるが、情景がリアルに展開され、読み応えがあった なぜかというと、悪いのは男だけではない 家付き娘の打算、養子で育って不幸だった若い娘の打算 三者三様、これでもかこれでもかとエゴの塊で 誰もが救いようがないように描かれ、良き、かわいそうな人はいなさそうで 誰もが悪いのでもなさそう 安眠は訪れず、人間のエゴイズムはその人の死まで続くのだろうということ なかなかおもしろい作家さんだなと思うけど、 南部樹未子さんて誰? 相変わらず文学好きなのに知らない作家の多いわたし 作者の意欲作って? 南部 樹未子(なんぶ きみこ、1930年9月23日 - 2015年5月10日)は、日本の小説家、推理作家。
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最終更新日
2017年10月06日 12時38分40秒
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