カテゴリ:読書メモ
副題が「慶喜と美賀子」にはなっているがヒロインは一人ではなく、最後の将軍・徳川慶喜の姿を「正妻(御台所)側」と「妾(側室)」から描いた一遍。
明治維新で慶喜の役割は他の躍動したひと達にくらべると、薄い印象。 殿様だからこそ果たした何かがあると、しっかり思わなかった。 しかし、司馬遼太郎さんが『最後の将軍 徳川慶喜』をお書きになっているので、それを読んではいないが司馬さんが書かれるほどなら、何かがあるのではと短絡的な気持ちで読みはじめる。 う~ん、 人物像なら司馬さんにかなわないな、と読んでもいない本と比較してしまう。 女性から見て封建時代の英雄なり人物なりを描くというのは難しい。 大体、時代物が多い大河ドラマの主人公が女性になると失速するように、どだい封建時代の女性がくっきりと、歴史に足跡を残せるはずがないのである。無理があるのである。 この本に描かれている歴史的事実はやっぱりおざなりに見えてしまう。 林真理子さんはうまいストーリテーラーだし、女の気持ちをつかんで描ける。 だけど、歴史を動かす何かを女性から掘り起こすのは難しい。 この本が面白くないのではない。 慶喜さんが維新後も生き延びて「大奥」ばりの女性を確保(笑)子供たちも多々残し(夭折しなかっただけでも13人)趣味多彩、新し物好きなど、知ってみればなるほどね、エネルギー溢れた人物を彷彿させるではないかと、それを我慢したやんごとなきお生まれの「正妻」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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