カテゴリ:読書メモ
副題「新撰組 篠崎泰之進 日録」
葉室麟さん去年の12月にお亡くなりになってしまいました。 実は本の貸借する友人が好きで読んだのを貸してくれるのと、 夫が作者初期の頃好み、家に本があったりで、かなり読んでいます。 (たしか、わたし葉室さんはもういい、といったような 笑) でも、もう作品は増えないのですね。 司馬遼太郎さんような強い個性ではなく、臭みがないというのでしょうか、 さわやかな人間観察なのにちょっとおかしみのある描写、真摯な筆はこび。 この本の解説(朝井まかて)によると 葉室さんも司馬さんに啓発を受けていらっしゃったそうです。 「新撰組」という、映画に芝居に超有名な幕末の組織を 近藤、土方、沖田というお決まりの登場人物が中心ではなくて、 組織が瓦解する後半を篠原泰之進という人から見ています。 あの幕末はほんとうに混とんとしていたのですね。 武士社会が崩壊して、農工商の人々が武力修行して台頭できる世界。 でもそれは弱肉強食、邪魔者は殺して自分が生き残るっていう世界でもありました。 新撰組はそのモデルのような組織で、思想などあってないようなもの、 結局権力欲に収れんし、崩壊の憂き目を見るのです。 新撰組はちょっとアウトローな組織、と思ってましたが、 幕末に一つの役割は果たしているわけで、 作家が描きたくなるのも、もっともとわかりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年02月22日 09時42分18秒
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