不思議な魅力の短編集を読みました。
その内容も創作であるのか、随筆風なのかはっきりしません。
一応「アメリカの鱒釣り」を探す物語っていうテーマはあるのですけどね。
釣り人でしょう、なぜ鱒なんでしょうね、アメリカ人は鱒釣りが普通なのか?
訳者藤本和子さんの解説に「鯨ではない、鱒なんだ」とありましたのがヒントになりましたが。
メルビル『白鯨』の広い海での大きく勇猛なたたかいではなく、
川釣りの穏やかさというか、限られたなかでの比べれば小さなたたかい。
でもそれも失われていく・・・。
まあ、いろいろ意味づけはできるでしょうが、ぼーっと読むにはうってつけです。
ちょっと俳句の解説のようにも取れました。
芭蕉の句「古池や かわず飛び込む 水の音」の読み解きを思い出しました。