カテゴリ:読書メモ
読書傾向が支離滅裂と気づいてはいるのですが
こころのおもむくまま、気の向くまま それで心地よいのだから仕方ありません でも、そんな気の向くままに読み継いでいると 不思議と今の自分に何かしら関連してくるから面白いのです まあ、凡人の思考なんて年経てもそんなに複雑化するわけないから 何につけても自分に問いかけるしかないのでもあります というわけで、まえに高橋健二さん訳で読んだ『車輪の下』の時よりも ああ、そういうことだったのか!、という感想になりましたが 訳が問題なのではなく、理解できた時がわかったときということです 「青春は年齢を言うのではない、勇気を持って挑むことができる時が青春である」 という詩がありますが この秋山六兵衛氏訳の『車輪の下に』を読みまして 青春というその意味がわかったとき、それがまさに青春の意義だと思いました ***** 主人公の優秀で利発な少年ハンスが勉強ができる故、村の期待を背負って 好きな趣味もすっかりやめ頑張って、官費で神父になれる神学校にみごと入学しても まだまだその先があると、村の大人たちに叱咤され、 せっかくの夏休みも返上で勉学に励まざるを得ない 入学すれども状況は同じ 「そうしないと車輪の下じきになる」と神学校の校長先生 って、この状態が車輪の下でしょうに 唯一の理解者の友人ハイルナーも神学校を脱走してしまい 孤立無援のハンスはとうとう精神を病んでしまい 学校を辞め、村に帰ってきても立ち直れなかったハンス 「とにかく、真に天才的な人間にあっては、傷はたいていよく癒着し、学校のことはおかまいなくりっぱな作品を書き、後々になって、彼ら(型にはめようとした教師たち)が死に、時代の距りという快い後光に包まれたとき、それらの作品が、学校の教師たちから、他の時代の人々にすばらしい作品として、また気高い範例として紹介されるような人物になるということは、せめてものわれわれの慰めである。」 などと、ヘッセが何気なくこの小説に挟み込んだ文章は、 自身の青春を語ってやまないノーベル賞作家の言いたかったことと思いました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書メモ] カテゴリの最新記事
|
|