単なる私小説作家ではありませんでした。ご自分の身近な人たちを題材にしながらもそこに人間の普遍性を冷静に分析しています。
この短編集には
「聖ヨハネ病院にて」 「大懺悔」 「薔薇盗人」 「野」 「姫鏡台」 「柳の葉よりも小さな町」 「美人画幻想」 「白い屋形船」 「上野桜木町」 「ブロンズの首」
みんないい文章なのですが、その中でも「上野桜木町」は印象的。
自殺した川端康成との交流を追想しているのですが、はじめは編集者としてお付き合いし、原稿取りに苦戦し、後に自身も作家となって敬愛する先輩となります。ノーベル賞作家となった川端康成の人間味のある姿が生き生きと描かれています。
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