1924~1933年 関東大震災の復興、大正から昭和に、戦争の足音
(わたくしの生まれる直前の時代・・・)
口語体文学が発展途上にあって、こんなにも完成した短編が書かれていたとは驚きだ。
創作ながらに、しっかりとその時代、時代を捉えて生き生きと人間を再現させているので、面白いことこの上ない。
中勘助『島守』
『銀の匙』だけではない。
岡本綺堂『利根の渡』
梶井基次郎『Kの昇天』
元祖、幻想短編か。
島崎藤村『食堂』
震災復興には「食だ!」というフレーズが新鮮。
黒島伝治『渦巻ける烏の群』
これぞ埋もれたプロレタリア文学。
加納作次郎『幸福の持参者』
普通のことがいいなあ。
夢野久作『瓶詰地獄』
水上瀧太郎『遺産』
龍胆寺雄『機関車に巣喰う』
林芙美子『風琴と魚の町』
尾崎翠『地下室アントンの一夜』
シュールレアリスムで驚いた。戦前は昭和の初めだもの。
上林暁『薔薇盗人』
堀辰雄『麦藁帽子』
ちょっとプルーストの『失われた時を求めて』の一部を彷彿させた。
大佛次郎『詩人』
広津和郎『訓練されたる人情』
上林暁の『薔薇盗人』を読みたくて、図書館検索に引っかかった本。
新潮文庫で池内紀・川本三郎・松田哲夫編にて年代別に1~10巻がある。
全巻読みたい、興味がわいてきた。