わたしはコンビニで買い物するのが苦手です。あの無機質な明るさ、こまごまと並んだ商品の多さ、店員さんの画一的なような応対。でも、便利さに負けて時々利用してしまいますから、うるさく言うことはないのですが。
それの雰囲気を好きっていう人がいるのでおもしろい。いえ、そこで働くと
普通の人間になれる近道だというのです、この小説の主人公恵子さん。コンビニで18年間も、アルバイトで続けているってんです。本人の好みとは言え何なんでしょうか。コンビニでマニュアル化して働くと生き返るのだそうです。
ところで普通じゃないってどんなことなんでしょ?
みんなと同じになれない?すなわち、学校を出て、定職に就き、しかるべき年齢に結婚して、子供を持つ、収入がたりなければ、または充実したくて働きに出る。という道をたどらないということ?
まあそういうことをしていないと、あれこれはなしのタネになるのはほんとうです。恵子さんもそういうことで悩みます。とりあえず偽装結婚でもすれば何とかなるかと追い詰められます。そして結末は?
どこにでもあるコンビニが舞台になっての人間洞察は、確かにその目の付け所が面白いですね。