副題「~扉子と不思議な客人たち~」
『失われた・・・』で手間取ったので、ライトノベルでサクッと行こうです。でも、中身は古色蒼然たるも文芸書が主人公で、そこが興味が尽きない読み物なんですね。
余談ですが、作中の副主人公の出身高校が(作者も)今年大学生になる孫娘と同じ。わたしが第1巻「栞子さんと奇妙な客人たち」から読み、集めているものですから目ざとく見つけて、話題にしてくれるのも嬉しくてね。
7巻で完結したと思っていたら、7巻あとがきに「前日譚や後日譚」があるとなっておりましたように、やっぱり本になりましたのです。
4話、4冊(いえ1冊は楽譜)の古書が取り持つ家族の縁(えにし)。そのオムニバスを結ぶのは栞子さんと大輔君夫婦の娘6歳の扉子ちゃん。結婚することになるだろうと予感させつつ1~7巻まで来たのだから、続きが一気に7年たってそうなったって不思議はないです。
わかりやすい描写(わたしに言わせれば漫画的)なれど、人間の悪あがきのような心理や行動の胸締め付けられるストーリー展開は相変わらず健在でした。
こういう軽いというか、わかりやすいというか、この手の本もこの頃はいいと思えてきました。なぜって、読んだところからすぐ忘れるようなわたし、複雑難儀なのはしんどくなってきているという、気ままわがままです。