カテゴリ:読書メモ
岩波文庫版(上)主人公フィリップ・ケアリが9歳から21歳までのたどる道。
9歳のフィリップは父母を相次いで亡くし、伯父夫婦に引き取られることに。フィリップは生まれつき左足を引きずらなくては歩けない障害がある。伯母は優しかったが、牧師の伯父は真面目ではあるが面白みのない人間。牧師館で暮らす日々。 寄宿学校に行くようになるがはじめはいじめられる。しだいに勉強も面白くなり、良い教師に会い、友人もでき少年時代が過ぎる。大学に進む年頃になって、伯父の勧める聖職にはつきたくなく、ドイツ留学を望み紆余曲折の末、ハイデルベルクに行く。ドイツ留学を終えて、休暇には年上の女性と付き合う青春。その後ロンドンに出て事務弁護士の見習いになることに。しかしそれも一年で辞め、今度は画家になろうとあこがれのパリに行き画塾に入り、芸術論を戦わせる。 あらすじを言うと単調のようであるが、モームの筆運びと構成はうまい。「人間は絆で創られる」と次第にわかってくる。何がなし懐かしい響きの成長記。行方昭夫氏の翻訳も2001年と新しいし、うるさい注釈が全くないのがいい。ま、こちらの知識不足で知らない有名な画家や作家・音楽家などあるが、わからなくても大した影響はない。 実はわたくしこの小説再読なのだが、内容は全く忘れている。結婚したばかり、姑とお勧め本を交換しあって借りた本だった。ちなみにわたしはデュマの『モンテクリスト伯』を貸した。『人間・・・』は3冊、『モンテ・・・』はたしか7冊あった。「読むのに大変だった」と文句を言われたのを覚えている。たしかにいくら「手に汗を握るおもしろさ」と思ってもね、本の好みのジャンルが違えばね。わたしも多分「お説教くさい」と思って内容を忘れてしまったのかもしれない(笑)今にして思えばそんなことはない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書メモ] カテゴリの最新記事
|
|