空気が読めないと悩むお医者様(早坂ルミ子)、患者さんに余計なことを言ってしまい顰蹙もの、まして余命宣告を受けている患者さんにはキツイ。ところが、当てると「心の声」が聞こえる聴診器を拾って使ったことから、患者さんの気持ちや後悔などがわかるようになった。ちょっとファンタジーみたいなんだけど、さすが垣谷美雨さんの筆運びは、人生の真実を突いてなるほどと思わせる物語になる。4つの物語にヒロインルミ子の人生が絡まって大団円となるのは安心して読めるということ。
人の心はわからない、だから複雑に解いて見せる文学が生まれる。byばあチャル(笑)