一読、懐かしい～～、の感想ですね。
ひょんなことから夫があろうことか妻に不倫を打ち明けてしまう。妻は嫉妬に狂うのだが、執着を解けない。愛しているから？否、自分が自立できないから。経済的にも精神的にも自信がない。安楽の妻の座から脱出できない。
これを書かせたら森瑤子の右に出るものはいないくらい。わたしも森さんと同年代。当時同氏の
『情事』を読み、
斎藤茂男『妻たちの思秋期』エリカ・ジョング『飛ぶのが怖い』なども。
あの頃はそうだった・・・これも一種の流行り。
1970年が終わって80年代にかけて。まだ妻の座が核としてあった頃。
ただし、
原田節子『挽歌』もそうだったけど、翻訳ものを読むような雰囲気（都心のマンション暮らし、週末別荘地へという暮らしの背景）は小説の中だけ、リアルは近づいているとはいえごくごく庶民的な暮らしが多かった。
嫉妬【電子書籍】[ 森瑤子 ]
