「もう一度、人生をやり直せたなら?」
またまた、惹句に惹かれた読書。
主人公石坂隆一は郊外の一軒家で幸せを絵にかいたような親子四人家族の生活を送っていた。ところが、毒殺された猫のペットロスから始まって、娘の堕落・家出、息子の事故死、会社の倒産、妻と離婚のパラレル落下。しかもわびしい一人暮らしの家が火事で喪失。
「リセットできたらいいなあ」と思うのも当然である。前の世界にもどれたらなら、経験を積んだ今のままの知恵とやる気でそうはさせない!!
んなことはないこと、わかっている!けど「あの時こうしていればこうだったのよね・・・」「なすすべを怠ったのか?」と、わたしもつらつら考える時もあるから興味をひきます。
森村誠一さんは息の長い作家ですね。作家生活50年とか。この作品は2012年初版、とすると1933年生まれですから79歳ごろの作品。少々端折りすぎの推理や都合のいい登場人物もありますが、SFよりも日常的でありそうな場面が読ませます。