新聞の随筆で文章に魅せられていました作家、この度全米図書賞翻訳文学部門受賞。読みました。
外来語も自動車もインターネットも携帯電話も無くなり、鎖国状態の未来日本。老人は百歳を超えてなお元気、孫子はひ弱で生きる力が薄い。だから曾祖父がひ孫を育てることに。
なぜそうなったかは、ぼかされている、そこのところがこの物語は怖い。
『献灯使』のめぐるような表現にクラクラする雰囲気、これは何かに似ている・・・そうだ、宇野千代
『色ざんげ』とか
『みれん』の文章。はじめがなくて終わらない。でも、宇野さんのはリアルっぽいが。
デストピア文学と申しますが、この書き方は昔の物語の運び、例えば源氏物語などのあいまいさに似ているようです。もちろん内容は進化(?)したものです。
そして、続く短編
『不死の島』と『彼岸』『動物たちのバベル』を読み進めると、文章と言い、ストーリー展開と言い、千年後の未来に読んでいるのかもしれない幻想を抱きました。