カテゴリ:読書メモ
明治維新以来近代化にひた走り、西欧型図書館「ビブリオテーキ」を作りたいとなるのは必定のこと。いろいろ西欧文化を取り入れ、西欧的建物を作った明治政府だから当たり前じゃないかと思うが、どっこい書物は実利的なものと違ってちっともお金が回ってこない、建物があっても本がないという出発。災害(関東大震災)や戦争(太平洋戦争)に翻弄される日本の図書館の歴史を一人の女性の人生と絡めて作者は小説にされた。
図書館歴史部分と女性の人生部分とに書き分けてあって、図書館の方は明治以来、女性の人生は戦後から。その主人公女性がわたしくらいの年齢で、さながら自分に重ね合わせ読むことができた。 わたしの記憶では中学時代から学校図書室があるようになり、高校時代は遠いながら地域の図書館通いが出来、短大では学校の立派な近代的図書館を利用した。しかし、わたしの本好きは少ないお小遣いをやりくり(その他のものは我慢)して買いそろえる方が楽しかったようだ(神保町を歩くの好きだった)。 上野のこども美術館(初めの帝国図書館)や(リニューアルされたのは知っていたが)国会図書館も一度はこの本を読んだので、行ってみたい。 いまや図書館は地域に必ずあり、パソコンの検索で借りたい本は瞬時に探せるのがあたりまえ、ありがたいことである。神保町に行っても歩き疲れるし、一部ネットで注文して、あとは図書館を利用して老後読書を楽しむつもり。 そうできるのは日本に図書館が紆余曲折がありながら根付いてきたからである、ということがこの本から分るのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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