ポイントが三つある。
小説家を目指している
柊玲央が小説を生み出していく苦しみ、新人を叱咤する編集者、そして
柊玲央本人の人生事情。
いや、むしろ登場する小説に厳しい目線の編集者
小川乙三を描くことで、桜木紫乃さんの小説への心意気を言いたかったのかのではないかと。
この小説中の小説「砂上」が、もし出版されないという結論だったらどうだろう。やっぱり小説家志望はあきらめないのか?また、本になったのはいいけれど、売れなかったら?読まれなかったら?読者に理解されなかったら?
出版されなくて、売れなくて、うずもれていった物書きたちの積んでも積んでも崩れる砂の山。