エミリー・ブロンテ『嵐が丘』を下敷きにしたミステリーということで読みました。
丘があって、木立に囲まれ、見晴らしがよくて、海が見えて、広々とした敷地に古屋敷が経っている。う~ん誰でも憧れますよ。しかもそこはいわくつき呪われた土地、競売にかけられるとか。
ハンサムな遊び人の語り手は売り出し広告でそれを見つけて憧れ、たわいもなく欲しくなりますね。お金があればねえ。ところが、その物件の場所でお金持ちの女性に出会いました。それも少女のように可憐な美人のお金持ち、早速モーションかけるでしょう、夢かないました。なんと運命は語り手に味方してくれるのでしょうか!!
んなわけないだろう、と読者は想いなが、らひたひたとアガサワールドに浸りたいのであります。
夜ごと朝ごと
みじめに生れつく人もいれば
朝ごと夜ごと
甘やかな喜びに生れつく人もいる
甘やかな喜びに生れつく人もいれば
終りなき夜に生れつく人もいる
(ウイリアム・ブレイク)
このロマンチックな詩が初めから終りまで伴奏であった・・・