カテゴリ:読書メモ
再読ですが、忘れもしません、生まれて初めてSNS(ブログ)を緊張しながら発信し出したころに、これまた読書感想宿題など大嫌いなわたしなのに、感想をアップした本なのです。そういう思い入れがあって処分せずに、読み返したい本として本棚に残してありました。
その昔の感想を読み返すと自分ながらよく書けている(笑)。だからそれでもういいのですが、あれから17年、世の仕組みや世情も変わったかなと。 エンターテインメント的な物語運びで、5人の女性の自立と能力発揮の闘いが詳しく描かれています。 「春になると、かごの小鳥が落ち着かなくなる。父が飼っているメジロが止まり木で何度も足を踏み換え、飛ぶことができないかごの中で、天をあおいではばたいたりする様を沙織は見たことがある。そのときの小鳥の様が、なぜか痛切に思い出される。」(P317「それぞれの春」) そうです、会社では補助的な仕事の20代30代のOLたち5人の飛翔物語。けなげに頑張る女性たち、失敗しても、成功しなくても、奮闘してなんとか道をつけていくのが切ない。 違う面で大変さはあるけれども20年くらい前と今では格段の差でしょうね。しかし、スピードの遅い女性の社会進出、まだまだこの物語の域は大幅に超えていないのでは。 さて、いまやこの人たちも40代50代になってます。そんな世をどう生きているのか、後日談が知りたい、 (以下少しネタバレ) 25までに結婚したい結婚願望の20代組。 「紀子」は可憐で頼りない性格、一度目の結婚は失敗、ヘルパーの資格とるも、もう一度の結婚に賭けた。 「リサ」は栄養管理士の資格ありながらセレブにあこがれていたが、医療援護の情熱のためにネパール行きの医師に結婚してついていく。 「紗緒」はしっかり目的を持っているが、得意の英語、翻訳業を目指すが挫折、アメリカに渡って空の操縦士の夢にかける。 そして、30歳も過ぎて焦っているふたり組。 「みどり」は配置転換・転勤など理不尽な扱いをうける。会社を辞めなければ同じ会社の夫が出世しない、ついにリストラされる。だが、どっこいそれから子供を産み、個人事業を始める準備をしていく。(ちなみにこれってわたしのリアルな経験!!この物語のようにたくましくはなかったけど、身につまされた) 「康子」はもてない女自認、こつこつためたお金で2000万円で中古マンション購入、ひょんなことから有機野菜販売コンサルタントに。 さて「その後」はこうかな(わたしの想像 笑) 「紀子」は相変わらず可愛く旦那に寄りかかりながらも義両親・実両親の介護に疲れている。 「リサ」はネパールで夫と一緒に逞しくも生きている。慣れてはきたし、自然の喜びはあるが、難儀な生活をしている。 「沙織」はアメリカでヘリコプターの操縦士稼業、しかし人種差別に憤慨している。 「みどり」の個人事業は実現したが、世の中の景気に振り回されている。けれども子育ても一段落。 「康子」の有機野菜、軌道に乗ったが、自然を相手の困難と闘っている。東京と長野に別居結婚の農業専門の夫ともすれ違いながらも仲が良い。相変わらず、5人と連絡を取り、旧交を温めるのも忘れない。 ほんとにしっかり者の世話好き、美人ではないけれどつやっぽく、精力旺盛な「康子」が、前回同様この物語のヒロインではないかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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