『水の眠り 灰の夢』『ダーク』(ミロ・シリーズ)
『猿の見る夢』
と、桐野夏生の作品ばかり続けて読んでいました。
『猿の見る夢』が未読で、他は再読。
『水の眠り 灰の夢』
ミロの義父が週刊誌の記者だった若かりし頃の話。
昔の感想にも書いたが、
わたしと同時代、感覚がどんぴしゃりで、
面映ゆい気持ちで読んだ。
作者は小学生だったのだから、
よく調べて描いているのがわかる。
『ダーク』
「村野ミロシリーズ」がこれで完結ということ。
その後の桐野さんの作品の風格が確立された感じ。
作風の出発点となったのだと改めて思いますね。
昔読んだときは「どうなっちゃったのミロ!?」
とあきれた思いがだったが、
逞しく悪くなっていく毒の過程が、
そうだ、そうだと納得のわけは、
時代が追いついたのだと思う。
『猿の見る夢』
スピーディーで面白く読んでしまう。
2013年~2016年にかけての作品だから、
ミロスリーズから始まった数々の作品群を経ての本。
ここまでくると失礼ながら手練れが安心して読めるように思う、
それが心地いい。
心地いいと言えば、芽吹きの緑陰が恋しい