『鎌倉駅、徒歩8分、空き室あり』越智月子
鎌倉市の隣にあたる区や市の2か所に、随分長い間住んだ。子育てのほとんどの期間を過ごしたといってもいい。だからなじみ深い、思い出深い古都、散歩地なのだ。
それもどっぷり昭和、ちょっと前の鎌倉。
今や超観光地。でもちょっと道を曲がれば、住人は普通の生活をしているんだけどね。そんな住人たちをシェアハウスなどといった今流行り感覚で描いている。中年以上の女性たち5人の暮らし。シェアハウスのオーナーも、飛び込んできた住人たちの事情も、ことさら珍しくないけど、壊れそうで壊れないようにストーリーが展開していくのがいまどきありそう。ただ、珈琲とカレーライスの薀蓄が饒舌だなあ。
さて
この本は小鳥の鳴き声がところどころに、興趣を添えてくれる。
「ケキョ、ケキョ、ケキョ…」がウグイスの別鳴き方くらいは知っていたが、
「ツツピー、ツツピー…」がヤマガラ
「ツピ、ツピ、ツピ…」がシジュウカラ
そして「チョット、コイ。チョット、コイ…」がコジュケイ
わたしのなかで鳴き声と鳥の名前が一致した!
25年前のスケッチ タワーがまだ前の古いもの。