『橋を渡る』吉田修一
ネタバレになるけれど、2015年から70年後の世界が描かれていて、構成といい、文章といい、とても面白かったけども、わたしが経験した70年後の世界はもっと面白いのかも。
つまり今、82だから12の時から、現在70年後の世界にいるってこと。
12歳の時(1953年)は今普通に使っているものは無かったか、初期段階。
例えば、テレビジョンの放送が始まって、ブラウン管のでかい箱を駅頭で見上げた記憶。
電話は黒いダイヤル式、冷蔵庫は氷で冷やし、たらいで洗濯(14歳ころ一層式洗濯機ハンドル絞りつきになった)などなど...
人間関係の世界はっていうと、それも変遷だ。社会機構、体制様変わり。
LGBTSなど無いような世界、いや闇の中か忖度の世界だった。
セクハラはあった、けど、それも闇の中か忖度の世界だった。
離婚が少なかったけど、夫婦関係も問題が内包してだけ、などなど...。
しかし、ゆっくりと浸かってきているので、自分がどの位置にいるか自覚しないだけ。
そう、すっかり慣れている自分にびっくりだ!