カテゴリ:読書メモ
村田喜代子『新古事記』
あるアメリカ人女性(フィリス・K・フィッシャー)の『ロスアラモスからヒロシマへ 米原爆開発科学者の妻の手記』を村田喜代子氏が小説にされた作品。 読み始めから「文明の行く末」に嫌な気持ちの不安を感じながら進みます。 語り手若い女性の語り口が明るい(作者の手腕)のがちょっと救いだが、日系であることを秘めていることにされたのが、またぞろ不安を増しながらの読書...。 場所はニューメキシコ、アルバカーキやサンタ・フェ近郊のロス・アラモス。ちゃんと地図にありました。それがまた恐ろしい。いえ、もう起こったことです。 科学者の若い妻も知らされていなかったでしょうが、わたしたち幼児だった日本人も知らなかった事実。 しかし、しかし、小学生のころ、日本人漁業者が被ばくしてしまう、ビキニ環礁での水爆実験はものすごく印象が強い。冷戦...その後も実験を続けていって...。 そしていまは核弾頭を多く持っている国が連なっている。 ロシア、アメリカ、フランス、イギリス、パキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮......。 新古事記 [ 村田 喜代子 ] ***** リンク友の読後感に読もうと思った小説です。 わたくし事情ですが、9月に図書館に予約、やっと順番が回って来ました。 いつもは遅れ気味読書のわたし、かなり読みこんだよれよれの本を借りて、そのことに気分落ち込みますが、今回は真新しく(今年8月発刊故)本は気持ちよかったのです。 でも、この図書館本が読み込まれ、年期が入るとよいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書メモ] カテゴリの最新記事
|
|