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見たことがない作家さんだなと思ったら、この作品が長編デビュー作とのことでした。
鮎川哲也氏編の「本格推理」と続く「新・本格推理」シリーズにも短編を発表していて、そこからデビューになったそうです。すごいですね。 ちなみに本格推理に掲載されたときのお名前は田辺正幸さんだそうです。 この小説、もちろん作家さんは日本人ですが、舞台は1920年代のヨーロッパ。なんでも作者はディクスン・カーの大ファンで、この作品もカーが創造したパリ警視庁の名予審判事アンリ・バンコランを主人公として書かれたものだそうです。 ただ、そのままだと著作権の問題から刊行が難しいので、登場人物をオリジナルに変えたそうです。 なのでカーファンが読めば、随所にカー作品を彷彿とさせるところがあってより楽しめるそうですが、あいにく僕はカーの作品はちょっぴりしか読んだことがないので、そこらへんの楽しさは味わえませんでした。 とはいえ、なかなか面白い作品でした。 やっぱり設定がいかにもって感じでいいですよね。 20世紀初頭、ヨーロッパの古城、そこに住む美しい双子の姉妹。 もう、ミステリーファンならこの時点でワクワクしてきちゃいますよね。 全編通じての雰囲気も良かったです。 それほどスピーディな感じの文章ではなく、かえってじっくり楽しめます。 自分も登場人物達と同じ時間の流れにいるような感覚がしますね。 トリックもなかなか、昔っぽくて(古いというわけではなく)良かったし、読後感もさわやかです。 ただ、ちょっと最後の解決の仕方がちょっと「む~」と思ってしまいました。 この辺はネタバレになってしまうのであえて言いませんが。 この作品のあとにも着実に新作を発表しているそうなのでそちらも楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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