ぼくの日記（仮）

古本屋で見かけて「江戸川乱歩賞受賞」と書いてあったので、若干不安だったけど買ってみました。
若干不安なのは、僕はハードボイルドが苦手で、乱歩賞ってよくそっち系の作品が受賞しますよね。
それなのでちょっと不安だったんですが杞憂でした。
面白かったです。この作品。

ストーリー的には、新聞社が、あるきっかけから20年前の誘拐事件の再調査をするというものなんですが、僕は松本清張から本の世界に入ったせいか、こういうほとんど手がかりがない状態から、少しずつ真実を探っていく系が好きなんですね。

もちろん設定だけではなく、中身もよかったですよ。
テンポがすごくいいですね。こういう設定だと、割りと中だるみっぽいところができちゃいそうなんですが、とんとん拍子に解けていくわけでもないし、かといって飽きないというちょうどいいスピード感でした。

そして意外な真実。もちろん、こういう作品ですから、意外じゃない真実が結末だったら大変な騒ぎになるわけですが、この作品の結末はいい感じのやられた感でした。

僕は結構、読書に関しては奥手で、読んだことがない作者の本になかなか手が出ないんですが、最近はちょっと挑戦するようにしているんです。
この本もそういう意味で、「今日は読んだことがない作家の本を買おう」と心に決めて買ってきたものなので、面白かったことはすごく良かったです。
これでイマイチだったら、また奥手の日々が続いてしまうところでした。


さっき本屋に行ったら京極夏彦の「後巷説百物語」の文庫本が発売されていました。
ダッシュで買いましたが、今読んでいる本がちょっと読み終わるまでに時間がかかりそうなので、読むのは少し先になりそうです。
おまけで人物の相関図が付いていました。
それを見て初めて知りました。巷説シリーズと京極シリーズってつながっていたんですね！
う～ん、すごいな。
あれだけ色々絡めておいて、ちゃんと筋が通ってるんだもんな。
さすがですね。
読むのが今から楽しみです。