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なかなか良かったです。
ながらく文庫化を待ったかいがありました。 まあ、トリック的にはそれほど新しい感じも正直しなかったんですが、全体的な雰囲気は良かったですね~。 これは「龍臥亭事件」の続編的というか、8年後にその事件の関係者が再び龍臥亭に集まったところから始まる物語です。 前作がもう思い切り横溝正史を意識してるような作品で、僕は大好きだったので、また同じ舞台の小説が読めるというだけで嬉しくなっちゃいますね。 そして今回も雪に閉ざされた山村、村に伝わる伝説とその伝説どおりに起こる殺人事件と期待にこたえてくれる設定です。いいですよね。こういうの。 また、島田作品の2大キャラクターの御手洗潔と吉敷竹史がともに登場するというのもファンには嬉しい演出です。ニクイですね。 この作品は前作に続き御手洗の友人である石岡君が謎に挑むわけですが、普段ワトソン役の彼が主人公になることで物語のスピードがしっくり来る感じですね。早過ぎないというか、読んでるこっちと思考が一緒というか。 あとがきにもあったんですが、結局頭の良すぎる探偵を作っちゃうと難しいですよね。 金田一耕助なんかは一部では「あまり優秀ではない」なんていう、かわいそうな評価をされているようで。目の前でどんどん人が殺されてるのに常に後手にまわっちゃってるから。 まあ、そういないと物語が展開していかない訳で、でもホントに頭が切れるなら、あそこで分かってもいいんじゃないの、とも思っちゃうところもあるだろうし。 そうするとあんまり頭脳明晰な探偵よりも凡人より少しいい、ぐらいがいいのかも。 でもそれだと「名探偵」って言われないしな。 うーん、難しいな。 ま、僕が悩んでもしょうがないんですけどね。 続いては京極夏彦の「百鬼徒然袋 風」に取り掛かります。 こっちもかなりキャラクターの強い探偵、榎木津の登場ですね。 楽しみだなー。新刊の連続はいいですね。リッチな感じです。文庫本なのに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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