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テーマ:本のある暮らし(3312)
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「最後の一球」島田荘司
がんばって、がんばって、それでも一流になれない。 プロってそういう人達の上に立つ、一握りの人たちなんだなと思います。 この作品は殺人事件はおきません。 もうどうしようもない状況があって、その中で奇蹟が起きて。 島田作品の中では、あたたかめの作品です。 途中からプロ野球を目指すある男性の一人称の手記に変わっていくんですが、 これがなかなかいいんです。 がんばっても手が届かない。それでもがんばって。 「2流は悲しいな」というセリフが印象的でした。 不条理で理不尽なことってやっぱりありますが、 この小説を読むと、なんとなく救われるような感じがします。 よかったです。 で、その勢いで同じく島田荘司の「占星術殺人事件」を再読。 うーん、この作品はちょっと再読には向かないかも。 もう何しろトリックがすごい作品なので。 ホントにすごすぎるんですよね。 すごく複雑に見えるのに、そのトリック1つですべてが単純化してしまう。 もうミステリーとしては理想的ですよね。 だから、作品自体もその瞬間に向かって書かれてるような感じで、 トリックをしってしまってからの再読にはちょっと向かないかも。 でも改めて読んで、やっぱりこの作品はすごいと思いました。 ちょっとグロっぽいところとかがあって、 発売当時、すこしキワモノっぽく思われてしまったようで、それが残念です。 まだ読んでいない方にはぜひ一度読んでみてほしいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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