大好きな一冊-4-(燃えよ剣)
ここ最近、どうもブログの書き方が雑になっていたような気がします。どうも夜時間がないのが原因だと思いますが、それもこれも飲みすぎてしまう自分のせいです。情けないことです。今日は反省して、祝日前日にも関わらず酒を断ち、集中力を高め、真剣に書いていきたいと気合を入れているところです。さて、気合を入れて今日は「燃えよ剣」(司馬遼太郎)をおすすめしたいと思います。僕がこの作品と出合ったのは、もう8年ほど前、大学生だったときです。当時の僕は、今言うのも恥ずかしいですが、面白い本はだいたい読みつくしたと思っていました。今では信じられませんが、その頃は良くそう思っていました。それほど言うからには、相当読んだのかというと全然です。冊数にして、およそ100冊程いったかいかないか。何故、そう考えるようになったかは、書き始めると長くなるので、またの発表の機会を待ちたいと思います。さて、その青かった僕に、友人が「面白い本があるよ」と薦めてくれたのが司馬遼太郎でした。その友人は、幕末史が分かるからと最初「竜馬がゆく」を教えてくれたんですが、とても全8巻に手を出す自信がなく、全2巻の「燃えよ剣」を読みました。こんな体たらくで、よく「面白い本を読みきった」なんて思えたなと振り返ると、穴があったら出易いように足から入りたい気持ちです。さて、気合を入れすぎたようで脱線が目立つので、そろそろ本題に。この本は、幕末に新選組副長として活躍した土方歳三が主人公の小説で、歴史小説というよりは、土方本人の考え方や生き方を描いている伝記小説的な作品、なにしろ土方がカッコいいです。この本を読むと土方の人生って、本当に戦い抜いた生涯だったと思います。僕は、幕府の一部隊でしかない新選組が今現在、観光地にいけばグッズが沢山売られるような人気を誇っているのは、色々ある要素のなかで土方歳三が最後まで戦い抜いた点が最も大きいのではと思います。徳川慶喜に見捨てられ、薩長に鳥羽伏見の戦いで敗れた幕府軍は、もう敗走の一途、これまで中立を続けた諸藩も薩長に味方し始める状況のなか、土方は最後まで戦い抜いて函館で戦死しました。彼ほど頭が切れる人なら、とっくの昔に幕府に先がないのは分かっていたはずだと思いますが、最後まで降伏したりすることはなかったのです。しかも、土方は元々幕府の人間ではなく、出は農民。たまたま縁あって幕府側についたというだけの「行きがかり上」幕府側の人間になっただけなのに。確かに薩長の人間を斬りまくった彼は、降伏しても許されるはずもないし、革命が起こってしまった以上、日本中探しても住む場所がない身の上。それならば最後まで戦う、という見方も出来るとは思います。でも、僕はそうは思わないし思いたくありません。土方の生き方や戦い方はもっと積極的で、最後まで「勝つ」事を考えていたんだと思います。もちろんその可能性がほとんどゼロだと分かっていながら。「男には節義がある。…こいつを捨てちゃ男がすたる」、燃えよ剣で土方が言ったセリフです。自分の名をきれいに残したかったのかもしれないなと思います。