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カテゴリ:読書日記
村山由佳『星々の舟』(文藝春秋)を読む。
「村山由佳が直木賞をとった」ことは、私にとってひとつの衝撃だった。 だって村山由佳だ。 「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズだ。 集英社のコバルト文庫とか、講談社のティーンズハートとか、 小中学生のころ胸ときめかせたピンクの表紙の延長上に、私にとっての村山由佳は存在している。 もちろん、大好きだったのです。 少女小説家が直木賞をとる時代がついに来たか、と思いながら購入。 そして、実に気持ちよく期待を裏切られた。 「星々の舟」は、女の子のための甘い恋物語などではない。人生のほろ苦さを知っている大人が、大人のために書いた救済の童話だ。 私が足踏みしているあいだに、おいしいコーヒーの秘密を手に入れてしまった村山由佳。 寂しいような、少し懐かしいような。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.16 10:08:30
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