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カテゴリ:読書日記
よしもとばなな『デッドエンドの思い出』を読む。
ばななさんが小説を書くときの言葉の選び方や、物語に登場す る小道具の愛し方がとても好きだ。 でも、ストーリーにはだんだん同調できなくなってきてしまっ たなあ、という気がする。 たとえるなら、写実的でカラフルな風景画を描いていた画家が 、老成して薄墨一色の水墨画に転向してしまったような感じ。 『TUGUMI』や『キッチン』のころの、若くて無鉄砲でた くさん傷ついて、それでも内側からどうしようもなく輝いてし まう、というようなパワーが、何より好きだったのに。 こんなことを思うのも、わたしの年齢のせいだろう。 またいつか、ばななさんが今いる場所を通りかかる日が来るか もしれない。 黄金色に輝く銀杏の葉を敷き詰めた、晩秋の公園。 夕焼けの季節。 そのときが来たら、もう一度この本を開いてみようと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.14 10:13:05
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